2012年6月11日月曜日

南相馬市小高区にて

昨日、先月に警戒区域が解除された南相馬市小高区にて津波被害を受けた民家の片付けの手伝いをしてきました(福興浜団さんによる)

住民感情を分裂させた、政府による意味のない境界線があった場所を超えると、まだ片付いていない一年前の光景が続いていました。
ニュースでも取り上げられていますが、水が出ないなどライフラインも整っておらず、規制により居住もできない状態。

家の片付け作業は一年前を思い出しました。
ただ一見すると時が止まったままのようですが、作業中に様々な虫と遭遇したのは一年前とは決定的に違うことでした。
これは同行させて頂いた(いつもお世話になっている)小山氏の言葉で気づいたのですが、ミミズやクモ、その他よくわからない色々な虫があちこちに。

一年前の片付け作業ではひたすら流された物と泥をかき分ける無機的な作業だったような記憶がありますが、今回は作業中に何度も虫と闘ったりとある意味有機的なものでした。

人間の生活圏だけで見れば「あの時のまま」と言いたくなるところですが、警戒区域に指定されていた地域でも、この一年で多くの命が育まれているというのもまた一つの事実として認識する必要はあるのではないでしょうか。


今回久しぶりに南相馬へ足を運んで感じたのがやはり遠いということ。
警戒区域による迂回のせいで都内から南相馬へ車で行く場合にかかる時間は、南三陸へ行く場合とあまり変わらない。
それくらい迂回による時間のロスが大きい。
常磐道で浜通をつっきれるようになるといわき市から30分程度の所が、現状の迂回コースだといわき市から2時間半はかかります。
線量への不安等もあると思いますが、所用時間が復興の大きな足枷になっているのは間違いないと今回改めて感じました。
通行止め中の常磐道が夏に開通するような話しは聞きますが、一刻も早い広野〜南相馬間の有料道路を復旧を願います。

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