2014年3月22日土曜日

グローバー勧告に想う

グローバー勧告について
こちらをご参照ください→http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130605-00025456/

私は人権問題というのはあんまりピントこなく、そこに集まる人達っていうのも苦手な方が多いのだが、これに関しては重視すべき要素が包括されてると感じました。
昨日、今日と、大手メディアではやはり報道されていないようで、そして、福島県民の中でも知られていないようですね。(門間先生に資料見せたら初耳でした)

一昨日のシンポジウム、最後に集計した質問カードの多くが「あなたの話しが重要なのはよくわかったが、では我々は今後どうすべきなのでしょう」といった内容だったようですが、
先進国の国民が他国の人に「我々は国民として何をしたら良いのですか」と問いてる状況が凄く滑稽に思えました。(私もそういう内容の質問書いたのですが、苦)

だから最後のスタンディングオベーションには乗れなかった。
グローバーの話しは良かったし、鼓舞される感動的な局面だったのですが、苦笑するしかなかった。
自分含め日本人はなんてアホなんだと思ってしまったから。

国連人権理事会「グローバー勧告」について思ったこと

一昨日、20日はNGOヒューマンライツナウ主催のシンポジウムへ。

国連人権理事会グローバー勧告を受けて
福島原発事故後の「健康の権利」の現状と課題

国連人権理事会・特別報告者のアナンド・グローバー氏は2012年11月15〜26日、10日間来日して、福島第一原発事故後の人々の「健康に対する権利」の実施を調査、2013年5月に報告書を公表、同年10月の国連総会第3委員会でその現状を報告。

この勧告は福島県内でも意外としられていないなと昨日実感しましたが、最終的に国を動かさないとどうにもならない状況では、今後大きな意味を持つものと今回認識しました。

グローバー氏は公衆の年間被曝を1mSv以下に下げるようになど、20mSv以下に基準を引き上げた日本政府に対して勧告を出していますが、「科学的根拠はない」として受け付けない姿勢をとっています。

今回の来日で、参議院議員館での院内勉強会でも環境省の役人は「非科学的なので受け入れられない」という姿勢で、それに対し、広島・長崎で低線量被曝に関する調査報告を知っているのかという問いに対し「読んだことがない」という、全く非科学的な姿勢だったそうです。
ただ、グローバー氏は初来日の時に比べると政府側も少し受け入れはじめたように感じたとのことでした。

今回のグローバー氏の話しの中で私が印象的だったのが、
「今回の事故への対応については当事者が参加できる形を作り議論していくべき」
という内容だ。
「先進国の中でもこれがきちんとできていない国は残念ながら多い」
とも仰っていたが、

日本は先進国でありながら民主主義国とは言えない

と素直に捉えるべきだと思う。

住民や当事者が参加できない、というのは結局、福島第一原発事故に限った話しではなく、そういう民主主義的な考え方、行動というのを私達がないがしろにしてきた結果今の状況があると言って良いと思う。
そういう意味でもやはり今回の事故というのは「他人事ではなく自分事」なのかもしれない。

非営利組織の構想日本はちょうど「国民参加型の政治」を目指し、一つの取り組みを行っている。
「JUDIGT」は国の事業計画を可視かさせそこに国民の意見を反映させるという、画期的な取り組み。
JUDGIT!(ジャジット)は、国の行う事業に意見を表明し、ウェブ上で事業仕分けを行える、国民参加型の共創プラットフォームです。内閣官房作成の「行政事業レビューシート」に対して、様々な角度から自由に意見を投稿したり、その事業の継続に賛成か反対かを表明したりすることができます。
  • 国の事業に対する国民の意見を可視化する
  • 国が行う数多くの事業に触れ、それについて考える機会を提供することで、「モノ言う国民」を増やす

こういう地道な取り組みの積み重ねなしに、今の日本の状況の改善ははかれない。
グローバー勧告とJUDIGTは今の自分にはイコールに見えます。










佐藤一旭写真展「復興の進まぬ故郷を憂う」〜被災地の写真の意義

昨日のCheFuKo旗揚げレクチャーでは、相馬市松川浦出身で福島市在住の佐藤一旭氏の写真展を同時開催いたしました。

「復興の進まぬ故郷を憂う」

相馬市松川浦や飯舘村の写真38点、そのうち30点ほどを会場内に展示させていただきました。
おかげさまで会場がとても様になったなと非常に感謝するとともに、今回の写真展示は参加者が受けた刺激も大きかったように思います。

昨日は開場前に、先日近くのギャラリーで知り合った、南相馬小高区の方が写真を見にお越しくださり、こんなことをおっしゃってました。

「私も写真とるから、こうやって写真にするといいよね、『いいね』とは言うのもどうかと思うけど」

私も被災地の写真というのは素直にいいとは言えないながら、やはり写真としては『いい』と感じてしまうほうです。
写真だからこそ語れるものがあるからなんでしょうか。
そこにこめられている想いというのが単純に受け取りやすいからなんでしょうか。

佐藤氏のプロフィールボードには、
被災地を故郷に持つ写真家として「千年に一度の惨状を撮影して後世に残すべき」と強い要請を頂き
とあります。

先日の3.11、佐藤さんの写真展を開催していたギャラリーのオーナーが「佐藤さんからさっき電話があって、相馬で撮影をしていたらお子さんを亡くされた方がいて気の毒でとてもカメラを向けられなくなった、てひどく落ち込んでいた」とお話を伺いました。
佐藤さんはお会いすると、とても気さくで朗らかな方ですが、その裏では葛藤しながら写真展をずっと開催されているんだと心苦しく思いました。

そんな佐藤一旭氏の被災地写真展は来月、内容をリニューアルして朝日新聞東京本社で開催されるそうです。
多くの出会いのきっかけ作りとして、さらなるご成功をお祈りいたします。

今回の写真は来週の24日(月)も展示させて頂けることになりましたので、ご興味ある方は事務所へお越しください。
事務所:東京都千代田区神田駿河台2-5-1住友不動産御茶ノ水ファーストビル8F
    (社)世界の子供たちのために 
    03-5577-3155






以下4月の佐藤一旭氏の写真展案内です。
ぜひ足をお運びください。

土門拳文化賞友の会より

第19回酒田市土門拳文化賞奨励賞の佐藤氏の写真展のご案内です。web担当 市川
写真展名 佐藤 一旭写真展 「津波と放射能に苦しむ故郷を憂う」
場所    朝日新聞東京本社二階コンコース展示場
東京都中央区築地5-3-2
☎     03-5540-7413
アクセス 地下鉄 大江戸線 築地市場下車 目の前
期間   4月5日(土)~17日(木)
時間   10時~19時
連絡先  090-2993-7123  佐藤 一旭(さとう かつあき)
テーマ【津波と放射能に苦しむ故郷を憂う】
  ☆  全体説明
 東日本大震災直後、或る放送局から、被災地を故郷に持つ写真家として「千年に一度の惨状を撮影して後世に残すべき」との強い要請を頂き、尻込みする心に鞭打ち、津波で1100人もの方が亡くなった相馬と原発放射能で居住制限区域、帰還困難区域となった飯舘村を撮影しました。
故郷は地震、津波、放射能、放射能風評被害の四重苦の中で農産物海産物を、作る事も、獲る事も、売る事も出来ません。放射能の地には観光客も来ません。収入が少なく困窮しております。将来に夢も希望も無い故郷では、最近、自殺者が増えております。この様な故郷の辛さ、苦しさ、悲しさそして僅かな喜びを、約30000枚の写真に収めました。その中から、40枚を選び出し、【津波と放射能に苦しむ故郷を憂う】の題で、組写真として表現しました。ご覧下さい。



第三回 世界の子供たちのために旗揚げレクチャー

本日3月21日は第三回目のCheFuKo旗揚げレクチャーでした。
ご協力頂いた皆様ありがとうございました。
感謝いたします。

今日のCheFuKo企画は福島から避難されている方何人かにお越しいただけたのが嬉しかった。
開場前には先日ギャラリーで知り合った小高区の方が写真を見に来場、しばらく酒粕の話しで盛り上がったり、がんばっぺ経由で参加の楢葉の方は、お連れ様がいわきで聴きたい講演があったけど、身体のケアを優先してこちらにわざわざ温熱を受けに来ていただいたとかで(しかも昨晩のグローバーの会場にいらっしゃったとか)。

今回「そらまめ」の門間先生から福島市の現状をお話いただいた中で、避難してきている方の中にも「初めて現状を知った」こともあり、そのうえで心情を発言していただき、凄く良かったなと感じました。
そこからまた何かしらの動きが出て欲しい。
何か感じて、そこから伝播して欲しい。

そのちょっとずつの積み重ねしかない、と最近わかってきました。
いい加減、国を動かさないと結局進まないんだなあと。
四年目の3.11以降、色々思う所があって初年度のような憤りと怒りがそのまま再燃してきてまして、どうしてやろうかと。
とりうる手段て何があるんだろう。
最近そんなことばかり考えて、心がやや摩耗してます。。。



2014年3月14日金曜日

本当にいいのか?緑地化計画による神社取壊し案


富岡町を見てまわったあと楢葉、広野と南下し、久之浜も訪れました。
この日の前日、線量計を借りるために伺ったいわきの支援者の方から久之浜の近況をお聴きしたからです。

私が震災初年度にお世話になっていたいわき市北端の久之浜。

ここの津波被災区域に津波を受けながらも、壊されずに残った秋義神社があります。
私も初めて久之浜を訪ねた時、瓦礫の山にポツンと残っている秋義神社は当然目に着いて、お参りしながら「やっぱりこういうのは残るんだなぁ、さすがだね」と思った記憶があります。

しかしこの秋義神社を取壊すかもしれないという話になっているそうです。

被災地各地で津波で全て流されてしまった区域をどうするか色々話し合われていると思いますが、ここ久之浜では今まで話が色々出た中で現在緑地帯にするという話があがっているそうです。
緑地帯にする場合、法律上のしばりで残った神社を撤去しなくてはならないらしく、町で話し合いが行われているようです。

津波で全て流された区域については、もともと過疎化も進むなかで以前程の人が戻ってくる見込みも難しいので年輩層からすると「ハコモノでも作っておけば町の活性化に繋がるだろう」という意見があって、それに対して、これからこの地域で生きていく世代からすると「いやいやちょっと待って下さい」という構造は震災当初からあり、瓦礫撤去や復興イベントなどのボランティア活動なども勢力的に行っていたはずなのですが、、、

それはともかく私の個人的な感覚としては、神様を普段信仰していなくても(日本人は神様と一緒に生活してきたと私は考えますすが)仮にも津波を生き残った神社を安安と取り壊すという発想になぜなるのかが理解に苦しみます。
長い歴史で培われた日本人の精神はどこへ行ってしまったのか。
勿論その地域の経済的な状況なども加味されてくる話なので部外者が横から口を出す筋合いなどないのかもしれませんが、それでも地域信仰を取り除いてまで得られるものが果たしてあるのか。
この日以降私は気にかかってしょうがないのです。


Facebookでこの神社取壊しの件について友達の方とコメントをやり取りしていて気付いたのが、根本はやはり教育なのではないか、ということです。
被災地に限らず、日本人の伝統精神が失われている。
伝承されるべき精神文化が失われていくこの問題は、つきつめていくと教育にあると私は思いました。

秋義神社取壊し案に対して、久之浜まちづくりサポートチームという地元の地域団体ではGW連休にあった合同神祭で子供向けに地元の神社と神様について考える小冊子を配布したそうです。

いつもお世話になっているいわきの支援者の長男はこの冊子を見た時、「なんか感動する」と繰り返し言ってたそうなのですが、感覚的にその大切さを理解できたからなのだと思います。

これからの世代に神様について考えてもらう、とてもある意味的を得た素晴らしい試みだと私は思いました。

※写真1、震災の年の五月の久之浜と秋義神社

※写真2、この連休の久之浜と秋義神社
※写真3、神様について考える冊子









































2014年3月11日火曜日

南相馬の現状~SCMP(南華早報)の取材記事 と 3.11にあたって

昨日、Fb上で発見しました。
先月、南華早報の取材チームを南相馬へ案内した時の記事&ビデオです。

他にもいくつかにわけて掲載しているようなのですが、とりあえずネットで発見できたのはこれだけ。

雪が積もったタイミングだったため、映像は雪国みたいなイメージに仕上がっていますが、、、


今回初めて福島を訪ねた同じ30代の彼女・彼らが記事や映像をこんな風にまとめたのか、と色々考えながら拝見しました。



ぜひご覧になってみてください。
※文末の「here」から記事の本文にとべます

http://www.scmp.com/video?movideo_m=747810













4年目に入りました。
遅々として進まぬ復興に行き場のない怒りを感じます。
現地の方もおっしゃるように支援団体が次々と減っていく中で、継続している団体もあれば、3年経過を機にこれから動き出す団体も出てくると思っています。
今月は再編のタイミングな気がしています。
「他人事ではなく自分事として捉える」このキーワードを切り口に今年は昨年以上に動きたい。


3.11
私の場合、失ったものなど何もなく、この日がきっかけで多くの出会いを頂き、ひたすら感謝するだけなのが正直なところです。
だから、今日も自分の役割としてすべきことを粛々とするだけと思っています。
それでも余りに多くの命を失ったことは事実です。
亡くなられた方々の人生が意味あるものとなるには、残された我々が考え、行動し、選択しなければなりません。
そんなことを改めて考えつつ、黙祷を捧げます。

2014年3月9日日曜日

がんばっぺシニアサロン

昨日は今年二回目の中央区でがんばっぺ〜佃シニアサロン。

もんじゃはいつも通り盛況。
今回はおじやを作るということで、どのタイミングで作るか、少々バトル気味な奥様方を遠巻きに見てる時間帯もw
それだけみなさん真剣です。



今回はなんと温熱軍団も参加。
杉浦団長にご協力いただき、私と2人で後半の時間帯に一人五分ずつという僅かな時間での施術でしたが、「少し楽になった」などと喜んで頂けました。
「人数が読めない」ということで少人数編成だったのですが、こんなに好評であれば次回はきちんとご提供させて頂きたい。

そして温熱をすることで皆さんと距離が一気に縮まったので、「温熱スゴイな、、、」と改めて驚愕したのでした。
被災された方が色々な話をしてくださる。
やはり皆さん、たくさん聴いて欲しいいことがあるのだと思います。
でも人はあけっぴろげに話せるものではありません。
「傾聴」という点でも温熱は凄い威力を発揮するので、オススメです。

私が施術した中で、山元町から避難されている方が、御茶ノ水のギャラリーで開催中の相馬松川浦の写真展をぜひ見たい、というお話になり、3/21の企画に来ていただくことになりそうです。

被災されたでも被災地の写真を見たいという方はいるんだなぁ、と知り、こういう告知も出来るだけギャラリー、避難者の双方を繋げられるように動きたいものです。


今回はその他、子供たちの可愛らしい日本舞踊や、



いつもがんばっぺに参加される北島さんの「蹴っ飛ばし健康体操」などリラックスできるテーマが中心でした。



今回も有難うございました。


3月21日(金)のCheFuKo企画にもぜひお越しください→こちら

2014年3月4日火曜日

海外メディア取材ツアー

先月中旬、知人の紹介で香港の南華早報という新聞社の人達を連れて南相馬を案内してきました。

意図する部分もあったのでお話を受けたのですが、自分も勉強になってやって良かったなーという充実した内容でした。

南相馬の仮設住人、事業者、支援者、区長、市長、それぞれの立場からの話を同席して聴くことができ、問題も浮き彫りになってきました。

今週土曜日に記事の第一号が掲載されるそうなので、そのタイミングでこちらにも記載しようかと思います。

福島の現状が少しでも多くの方に少しでも正確に伝わってほしいです。

2014年3月3日月曜日

イベントのご案内〜紫苑

【東日本大震災復興応援イベント「紫苑」】


ふんばろう福島代表•矢内さんと私の提供で、こちらの企画に福島の旧警戒区域の写真を展示していただきます。


ちゃんとした機材で撮影した立派なものではないですが、原発被災地の現状と被災された方々の痛みが少しでも伝わればという想いからです。


実感しにくいですが、原発の恩恵を受けて不自由ない生活を送ってきたのは関東圏にいる我々である、とういう点でもう一度自分事として考えるきっかけにして頂ければと思います。


3/7(金)〜3/11(火)、山手111番館ギャラリー


3/11(火)は大倉山記念館でホールイベントも。


お近くの方は是非お立ち寄りください。




東日本大震災復興応援イベント

「紫苑」HP

http://www.sion311.net/