2012年4月16日月曜日

卒塾〜志塾


先週の土曜、4月7日に株式会社再生日本21(http://www.saisei21.jp/)のプロジェクトの一環である「志塾」の卒塾式がありました。

塾長の講演の後、事務局長、塾頭そして卒塾する6期生の発表を行ったあと、塾生の先輩や支援者の方々との懇親会も行われ、無事卒塾式の日を終えました。

この志塾、存在自体は設立当時から知ってはいたのですが、震災での支援活動を機に入塾しました。
被災地支援活動に割ける時間が減ることに対してかなり迷いましたが、被災地の問題は日本全体で抱える問題が多い事や、10年〜20年の長い目で見ると後々生きてくるような気がして入塾した経緯があります。
結果的には良かった、と言いますか、より広く深く、被災地の問題を感じ取ることにつながったと思います。

昨年7月から始まった第六期の志塾は2ヶ月に1回のペースで、座学、現地研修、都度の課題等、それなりの負荷がありましたがとても内容の濃いものでした。

幕末に日本を守らなければいけないという精神を築いた吉田松陰について学んだ萩・下関研修。ここでは松陰の叔父である玉木文之進の旧宅で、日本政策研究センター主任研究員の岡田先生のご講義は、吉田松陰が乗り移ったかのような渾身の講義で、心が強く揺さぶられました。

熊本県の水俣での水俣病研修では現地でずっと水俣病問題に取り組んできた方の案内で水俣の歴史と現状を学ばせて頂きました。
当然私は福島の問題を重ねてこの研修に臨みましたが、水俣は予想以上に考えさせられるものでした。
水俣病の原因を作った企業のチッソは地元にはなくてはならない存在。
驚いたことに、未だにこの企業は地元ではステータスになっている。
それだけ生活の上で必要な企業ということになります。
生活で依存している近代文明とどう向き合うのかが問われる内容で、今の原発問題も同様に安易に「危険だからダメだ」と言えるような問題ではないことを痛感しました。

この萩・下関と水俣が現地研修の目玉になりますが、これに各方面で活躍されている講師の方々の座学が加わります。

この他にオプションとして被災地ボランティア活動や、事務局長の稻田さんのお誘いで、日本政策研究センターによる勉強会など、幅広く体験・学びの場があります。

今様々な問題を日本は抱えていますが、いずれもが私達の生活と深く結びついています。
多少の不安を感じながらも「一体何ができるのだろう」と思うかもしれません。
志塾で得た結論の一つは、私達の一人一人の今の生活に対する意識が非常に大切だということです。
価値観を見直す作業と言い換えても良いかもしれません。

行政依存、大部分をアウトソーシングに頼っている日常生活。
今の生活の在り方が結局の所、孤立化につながっています。
震災で絆という言葉が注目されましたが、もっと自分たちの生活を手元に寄せれば本来の繋がりというものは取り戻せるのではないか、志塾ではそういうことを考えさせられました。

志塾は当初、経営者や起業家、国家公務員などが多いイメージでしたが、私の所属した第6期は主婦の方や、高校生、大卒の方など、一般の方が多かったため、其の視点で問題を捉えた意見が多くでてきました。
ですので敷居の高い場所でもありません。(内容は厳しいですけどw)

明日の日本を不安に思う方、自分たちの国をもっと良くしなければ、自分の孫・子供の代の日本を何とかしてあげたい、と漠然とでも思う方がいらっしゃれば、第7期生として一年間学んでみてはいかがでしょうか。

志塾第7期生募集中です(http://www.saisei21.jp/shijyuku)。




被災地の問題は被災地だけのものではない。
きっかけさえあれば日本中どこでも起こりうる。

そう感じたのがきっかけの志塾でしたが、今後はこれを被災地支援に役立てて行こうと思います。




2 件のコメント:

  1. 日高です。

    共助の視点をもつと世の中の風景が変わることに、ナント55歳にして気づく。

    20代で気づくなら、すごいことですよ。

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  2. 日高塾頭、コメントありがとうございます(祝・初コメントです)

    震災がきっかけで始まったご縁で、そのことを知った私は運が良いのかもしれません。

    これから深めて、実践できるようにいたします。

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