2011年11月14日月曜日

第四回 Music Caravan@大槌 (続き)

時間が押している中、午後は大槌の赤浜というエリアの仮設へ行く。
ここで通過したエリアは被害が大きいと感じた(どこも酷いのですが)。
根こそぎやられている南三陸にそっくりだった。

この日、このエリアに復興食堂という店が地元の若者達によってOPENしたということでそこに連れて行ってもらえる予定だったが、時間が押していたため通り過ぎるだけになった。
またの機会に是非いきたい。

仮設集会所に着くなりバタバタと楽器とコーヒーの準備をしてほどなく始める。
一件目の仮設集会所もそうだったが、皆で集まれるように座布団が欲しいと一同思った。
ふんばろうのハンドメイドプロジェクトで製作材料だけでも何とかお願いしたいな。
そんなわけでこの日は外のベンチを仮設の方と一緒に中に持ち込んで座って頂いた。
即席感あふれる会場。

この会場では来場者にジャズが好きそうな方が自分のすぐ目の前にいて、頷きながら聴いている様子を横目で見ていた。
一時間ほど演奏して終了。

そして14:46分を迎えた。
黙祷を捧げる時間。
すっかり忘れていたけど、この日で8ヶ月が経過した。
ふんばろうの村上氏が音頭(?)をとって黙祷。

それまで音楽とコーヒーでわいわいしていた会場の雰囲気がひっそりと鎮まる。

目を閉じた瞬間、色々な感情が塊になって自分に入ってくるのを感じた。
被災者の方々と現地で黙祷するのは初めて。
それまで楽しいイベントをしていたからか余計に感じた。
こんなに深い悲しみなのか。
声を挙げて泣く人はいなかったが、痛いほど感じた。
一分間がとても辛く長かった。

黙祷を終え、ハンドメイドプロジェクトのお土産を渡して会場もお開きに。

その時、帰り際に一人のおばあちゃんが
「ありがとうございました」
と声をかけて下さった。
「亡くなった人達にも聴かせてあげたかった」
胸に突き刺さった。

横を見ると案の定、リーダーの程島が泣いた。
一回目の釜石で現地の方に、被災者の前であなたが泣いちゃだめだよ、と言われたのに。
でもこれは仕方ない。
私も何とも言えない気持ちでいっぱいだった。
でもその反面、現地の方の本心に初めて触れる事ができたようでうれしくもあった。

被災者の気持ちはどんなにもがいても当事者にしかわからない。
私達にできるのは横で耳を傾けることだけだろう。
今回は演奏という形でそれができたのかもしれない。
今後はもっと寄り添った形が必要かなと思いつつ、おばあちゃんの言葉に感謝した。


後片付けをしてから、遠野まごころネットの杉浦さんにしばらく話を伺って仮設を後にする。
第四回目のMusic Caravan終了。

この日は、翌々日の郡山でのガイガープロジェクト講習会を控えていたのでそのまま米沢の実家に帰るつもりだったのだが、今回のMusic Caravanをどうしてもしっかり消化したいと思い、メンバーと一緒に東京に帰る事にした。


色々なことを考えながら帰路についた。
途中運転手以外が寝静まった頃、おばあちゃんの言葉を思い返し、我慢していた涙がしばらく止まらなくなってしまった。

被災地は少しずつ前を向いて進んでいる。
いつまでも引きずっているわけにもいかない。
でも、被災者は深い悲しみを経験している。
それは心に留めておかなければいけないなと改めて思い知らされた。

そんな被災者に対して、自分がこれから何ができるのか。
それが本当に最適なのか。
いつまで続けるのか。
原点を見失わずに見極めていきたい。



程島さんのブログでより詳細がわかります↓

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